救命救急センター
救命救急センターについて
「断らない救急医療」を実践。患者中心の医療で地域に貢献。
3月20日付で救命救急センターに認定されました。
3月20日付で救命救急センターに認定されました。
2005年7月の開院以来、地域に根差した救急医療体制づくりに邁進してまいりました。練馬区は、人口当たりの病床数が東京都の中で最も少ないことから、重症の救急患者さんを出来る限り断らないように努めてきました。救急外来のスタッフの尽力に加え、病院全体を挙げた協力体制により、都内有数の救急車の受入実績を誇っております。
「断らない救急」を継続している中、2020年より新型コロナウイルス感染症の流行が始まり、東京都の救急システムが崩壊の危機に瀕する状況となりました。東京都内にて選定困難事例が急増する中、当院では「たらい回し患者」を確実に受け入れるべく、東京ルール症例*を中心に対応を進めました。救急車搬送数は一時減少したものの、重症度が高い患者が激増することとなりました。救急・集中治療科を筆頭に全診療科で練馬区周辺の地域救急基幹病院としての役割を自覚し、積極的に患者を受け入れてまいりました。
現在では、年間2万5,000人の救急患者さんを受け入れ、救急車の受入台数は7,000台以上と、名実ともに「断らない救急医療」を実践しています。
今回、そうした多くの重症患者を受け入れた実績と、専門性の高いスタッフ、救急室設備を評価され、東京都における区西部の救急医療体制の強化を目的に、2023年3月20日付にて東京都より、東京都救命救急センター(3次救急)の認定を受けるに至りました。
今後においても、引き続き、練馬区および周辺地域での救急医療の充実に貢献してまいります。
*東京ルールとは
救急車での搬送先の医療機関が決定しない場合に、救急車と並行して地域内の医療機関の連携体制をもとに、受け入れ先の調整を行います。
医療機関のへの受入照会を5回以上行ったか、搬送先選定に20分以上かかった場合、東京ルールを活用して受入調整が行われます。
東京都救命救急センターとは
東京都においては、生命危機を伴う重症及び複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者を受け入れる医療機関として、「東京都救命救急センター」を指定しております。令和5年3月20日時点にて、都内28の医療機関が指定を受け、重症・重篤患者に対する医療を提供しております。詳細は東京都福祉保健局HPより
当院での診療活動について
当院では24時間体制の救急外来を運営しております。以下のような重症症例を含む、他の医療機関では対応できない症例においても積極的に受け入れ、地域の救急医療における基幹病院としての役割を果たしております。心肺停止 | 通常の心肺蘇生法の他に、ECMO(経皮的補助人工心肺)などの体外循環を駆使した心肺蘇生補助や。蘇生後は脳低温療法、体温管理療法などの新しい脳保護治療を行っています。 |
急性心筋梗塞 | いつでも冠動脈造影・カテーテルによる治療が施行できるシステムを整えています。 |
重症脳動脈瘤破裂・脳血管塞栓症 | 外科的治療だけでなく、血管内手術も対応しております。虚血性脳卒中に対する血栓溶解・回収療法、再灌流療法も実施しております。 |
急性中毒 | 急性中毒センターとして、他医療機関でも対応困難な事例にも対応しております。必要時には、メンタルケアの充実も図ります。 |
多発外傷 | 致死的な多発外傷に対しても、迅速な初療と根治療法を行います。 |
急性呼吸不全 | 人工呼吸器管理だけでなく、ECMOなどを用いた呼吸器管理を行っています。 |
多臓器不全 | 敗血症や他の重症病態に対して、集学的な治療を行います。 |
妊産婦の重症症例 | 東京都地域周産期母子医療センターとして、周産期に関わる重症疾患も受け入れております。 |
重症小児症例 | 他院からの小児の受入を進め、人工呼吸管理を含む集中治療を行っております。 |
写真で見る救命救急センター
数字でみる救命救急センター
救急車受入台数
当院においては、出来る限り救急搬送を断らず、まず受け入れて診療する方針です。緊急の患者さんを一人でも多く治療するために、場合によっては救急外来での診療後に他の病院に転院となる場合もございます。救急応需率
当院では2023年度より、救命救急センターの指定を受けております。救急搬送依頼数の増加に伴い、救急応需率は一部低下しましたが、他医療機関に比べ高い水準で推移しております。詳細はこちらからご覧ください。受診案内
受診に関してのお願い
- 急な病気やけがどした場合、「今すぐ病院に行ったほうがいいのか」「救急車を呼んだほうがいいのか」など迷うことが多いと思います。そうした相談窓口として、東京消防庁は救急相談センターを開設しています。24時間・年中無休で相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等)が対応しておりますので、当院を受診する前にはぜひご活用ください。詳細はこちらから
- <厚生労働省HP> 上手な医療のかかり方.jp
- <東京消防庁> 東京版救急受診ガイド
- 当院では、他の医療機関等からの紹介状を持たない初診の方から診療費の他に初診時選定療養費を申し受けております。また、当院より他の医療機関へ紹介した患者さんが紹介先の医療機関からの紹介状を持たずに当院を再度受診された場合、再診時選定療養費を申し受けております。
この度、2022年度の診療報酬改定に伴い、選定療養費が改定されることになりました。この改定に基づき当院では、下記のとおりを変更いたします。何卒ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
2022年10月1日~ 初診時選定療養費: 7,700円(消費税込) - 当院の救急室では、看護師が緊急判定(院内トリアージ)を行い診療の順番を決定しています。 症状によっては後から来院された患者さんを優先的に診療させていただくこともあります。
- 2023年3月より、東京都による救命救急センターとしての指定を受け、重篤な患者さんの来院が増えております。お待たせする時間が増えることが発生いたしますので、予めご了承ください。
- 緊急対応のため、お薬は必要な分のみとなります。
受診の流れ
電話での受診相談
- 電話にて「症状・既往歴・年齢・性別・氏名」をお聞きし、受診のご相談をお受けします。
診察券(IDカード)をお持ちの方は診察券番号をお聞きします。予めお手元にご用意ください。 - 電話03-5923-3111(代)※音声ガイダンスにしたがって、救急外来へご連絡ください。
必要な持ち物
- 保険証 *提示がない場合は保険のお取り扱いが出来ません。
- 各医療機関からの紹介の場合は「紹介状・CD-R・フィルム」
※紹介状をお持ちでない場合は、初診時選定療養費として、別途7,700円(税込)を申し受けます。 - お薬手帳・ペースメーカー手帳、ICD手帳・血圧手帳・糖尿病手帳・喘息手帳
来院されましたら
- 時間外出入口よりお入りください。
- 警備室にて「救急プライマリーケアセンターを受診する」旨をお伝えください。
その他
他の救急医療機関との連携
当院においては、出来る限り救急搬送を断らず、まず受け入れて診療する方針です。緊急の患者さんを一人でも多く治療するために、場合によっては救急外来での診療後に他の病院に転院となる場合もございます。近隣の医療機関とは、多数の緊急症例も受け入れ、当院を中心とした円滑な連携ができております。
かかりつけ医の先生方におかれましては、先生方の診療されている患者さんの急変時や、集中治療が必要と思われる場合にはご一報ください。日本救急医学会の専門医を中心に、専門教育を受けたスタッフにて、チームを組んで診療に当たらせていただきます。
研修教育機能
日本救急医学会の専門医を中心に、日本救急医学会専門医・指導医、日本集中治療医学会集中治療専門医、内科認定医、内科専門医など、各スタッフが専門性に応じて研修・教育体制を構築しております。医師に限らず、トレーニングを積んだ看護師や救急救命士によるインストラクションも積極的に実施しており、研修医や学生からも教育に対して高い評価を得ております。定期的にICLS(成人の心肺蘇生コース)やJPTEC・JATEC(外傷の初期対応コース)なども実施し、インストラクターも多数在籍しております。
こうした機能は、院外にも活躍の場を広げ、東京オリンピック・パラリンピックでの運営、新型コロナウイルスに対する東京都の酸素・医療提供ステーションの設立にも関わりました。
大規模災害時の医療体制
災害拠点病院として震災やNBC災害などの大規模災害時の救命救急機能の充実・維持を図るとともに、災害時医療対応訓練において中心的に関与しています。また、DMAT:disaster medical assistance team(災害救援医療チーム)にも参画し、常に国内の災害医療に貢献します。災害発生から48時間以内の急性期に活動し、災害医療や被災地の病院支援、広域医療搬送、情報収集活動を行います。各種大規模災害はもちろん、2016年に起きた熊本地震、2020年に起きたクルーズ船での新型コロナウイルス集団感染では、船内での診療支援に従事しました。海外においても、スタッフが国際緊急援助隊に登録しており、複数回の派遣実績もあります。
*NBC災害;核物質(nuclear)・生物剤(biological)・化学剤(chemical)による,人為的あるいは偶発的な災害の総称。