コラム

鼻から挿入する胃内視鏡を開始しました!

「より刺激の少ない、楽な検査を!」の声にお応えして、経鼻内視鏡の導入を開始いたしました。
今まで内視鏡は辛いから・・・と、ためらっていた方々は、今までの検査に比べはるかに楽に検査が受けられます。

順天堂大学医学部附属練馬病院 内視鏡センター
胃内視鏡

アルコールを飲む前の予備知識

暑い日が続くと、ついついビールが飲みたくなりますが、アルコールを飲む前に、こちらをお読みになってはいかがでしょうか・・・

1.アルコ-ルの吸収

経口摂取されたアルコ-ルは、20%~30%は胃から、70%~80%は小腸から1~2時間以内に吸収されます。食べながら飲むと、胃からのアルコ-ルの吸収を遅らせ、腸へのアルコ-ルの移行を遅らせます。

2.アルコ-ルの代謝

吸収されたアルコ-ルは、大部分(90%以上)は肝臓で代謝され、一部(2~10%)は呼気、発汗、尿により体外に排泄されます。肝細胞でアルコ-ルはアルコ-ル脱水素酵素でアセトアルデヒドに分解されます。顔面や四肢の紅潮、動悸、頻脈、頭痛、吐き気、嘔吐などの症状は主にアセトアルデヒドの薬理作用によるものです。アセトアルデヒドはアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)により分解され酢酸になり、最終的には水と炭酸ガスになって体外へと排泄されます。アルコ-ルに弱い人というのはこのALDHの一つが欠損しているために、アセトアルデヒドが分解されず身体の中にたまってしまうために、少量のアルコールを飲んだだけでも顔面紅潮や動悸や気持ちが悪くなったりするわけです。

3.アルコ-ルの処理時間

肝臓でのアルコ-ル処理能力は、個人差はありますが、体重1kg当たり1時間で約0.1gです。体重60kgの健常者の1日の代謝しうるアルコ-ルの総量は、0.1g×24hr×60kg=144gです。通常飲酒は夕刻ですから、翌日の仕事に影響を及ぼさないためにはその1/3~1/2の量で、アルコ-ル量に換算すると、48g~72gということになります。日本酒1合のアルコ-ル量は180ml×0.16=28.8gであり、朝まで酔いを残さないための飲酒量は日本酒2合~3合ということになります。一般にアルコ-ル性肝障害の進展には飲酒量と飲酒期間が大きな要因です。積算飲酒量1トンが肝硬変の危険量です。

4.アルコ-ルのエネルギ-

アルコ-ルはカロリ-源です。1gのアルコ-ルから生じるエネルギ-は約7kcalです。日本酒1合は約200kcal、ビ-ル大びん1本は約250kcalです。総摂取カロリ-に占めるアルコ-ルによるカロリ-の割合を30%以下に抑えることが必要です。成人男性の1日のエネルギ-所要量を2500kcalとすると、アルコ-ルからとるカロリーは750kcalまでとなります。日本酒にして3合以下が適量です。

5.飲酒の3原則

大量に飲まない! 毎日飲まない! 飲むときはつまみをいっしょに!

順天堂大学医学部附属練馬病院
消化器内科 教授 宮﨑招久