脳神経外科

診療実績

a) 外来診療
対象疾患は、グリオーマ、髄膜腫、下垂体腺腫などの脳脊髄腫瘍、脳動動脈瘤、頚動脈狭窄症などの脳脊髄血管障害、頭部外傷、水頭症、中枢神経系先天奇形など非常に多彩です。
R2外来
b)手術件数
脳血管障害、脳腫瘍の治療に積極的に取り組んでいますが、ほとんど全ての脳神経外科疾患に対する入院治療、手術が可能です。2020年は209例の手術を施行しました。
手術の対象疾患は、脳動脈瘤、脳腫瘍、頭部外傷が多い傾向にあります。
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当院脳神経外科の診療指針

a) 脳動脈瘤に対する治療
脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血、脳ドック等にて発見された未破裂脳動脈瘤に対する積極的な治療を施行しています。当院では、開頭術による脳動脈瘤頚部クリッピング術、脳血管内手術のよる脳動脈瘤塞栓術(コイリング術)がともに可能であり、患者さんの病状に応じた最善の治療法を選択します。
脳神経外科治療1脳動脈瘤頚部クリッピング術
脳神経外科治療2脳動脈瘤塞栓術(コイリング術)
脳動脈瘤頚部クリッピング術に際しての最新技術
  • 経頭蓋MEP:術中神経モニタリング技術であり、麻痺等の合併症の防止に有用な技術です。
  • 術中ICG蛍光血管撮影:手術中に血管撮影を行う技術で、脳動脈瘤が完全に閉塞されたことの確認や、正常血管の血流が正常に保たれていることの確認に有用であり、確実かつ安全な手術のために非常に役立つ技術です。
脳神経外科ICGICG術中蛍光血管撮影
b) 脳腫瘍に対する治療
髄膜腫や下垂体腺腫などの良性脳腫瘍、膠芽腫や転移性脳腫瘍などの悪性脳腫瘍に対して積極的治療を行いますが、やみくもに手術を行うわけではなく、経過観察、放射線治療なども選択肢とし、患者さんの病状、年齢、日常生活、職業などを充分に検討し、ご相談のうえで治療法を選択します。
再発した悪性神経膠腫には、再手術や放射線再照射を積極的に施行する方針です。

  • 髄膜腫や下垂体腺腫など良性脳腫瘍に対する手
    術中ナビゲーション装置や頭蓋底外科技術を駆使し、可能であれば腫瘍の全摘出を目指しますが、患者さんに害を与えないことを最も大切なことと考え、手術に臨みます。
  • 神経膠腫(グルオーマ)に対する手術
    術中ナビゲーション装置、術中神経モニタリング、覚醒下手術、術中蛍光診断などの最新技術を用い、安全かつ確実な手術を行います。
脳神経外科ナビゲーション術中ナビゲーション
脳神経外科モニタリング術中神経モニタリング

取得できる資格

a)日本脳神経外科学会認定専門医
6名の常勤医のうち4名が日本脳神経外科認定専門医です。当院脳神経外科は、順天堂大学医学部脳神経外科研修プログラムの研修施設であり、日本脳神経外科学会認定専門医取得のための訓練が可能です。

b)日本脳神経血管内治療学会
日本脳神経血管内治療学会専門医、日本脳卒中学会専門医が常勤しています。血管内治療は、順天堂医院に勤務する日本脳神経血管内治療学会指導医との連携のもとに行っています。日本脳神経血管内治療学会専門医取得のための訓練が可能です。

c)脳卒中学会認定研修教育病院
当院は、脳卒中学会認定研修教育病院であり、日本脳卒中学会専門医取得のための訓練が可能です。                                             

後期臨床研修医・2年目初期臨床研修医募集に向けてメッセージ

当院脳神経外科では、脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷、特発性正常圧水頭症、など広い範囲の脳神経外科疾患に積極的に取り組んでいます。専門性の高い、脳血管内治療、神経内視鏡下手術、脊髄手術などは順天堂医院に勤務する専門医にも協力を依頼し、ときには学外からも術者を招いて治療を行っています。
当院での研修にて、偏りの無い脳神経外科診療を経験できると同時に、専門性の高い第一線の医療に触れることも可能です。
症例数に比してスタッフ数は少なく多忙ではありますが、意欲にあふれた先生方にとっては豊富な臨床経験にもとづく有意義な臨床研修が可能な魅了的な施設であると信じます。当院にて先生方と供に、診療・研鑽のできる日を楽しみにしています。