薬剤師レジデント

薬剤師レジデント制度の概要

薬剤師の卒後臨床研修制度には、従来から一部の大学病院を中心に実施されていた薬剤師研修生制度があり、これまで病院薬剤師の育成に重要な役割を果たしてきました。しかし、この研修生制度は、医師研修制度のように義務化された制度でないこと、また各施設で独自のカリキュラムで運営されていることが問題とされてきました。そこで、これらの問題を解決するために、標準化された研修内容を基に薬剤師(generalist)を育成する卒後研修プログラムが求められてきました。

順天堂薬剤師レジデント制度は、「高度医療に対応した臨床薬剤業務ならびにチーム医療を実践できる薬剤師の養成」を目的とし、臨床実務を通して、知識、技能、態度を修得することを目的としたプログラムです。当院は、豊富な緊急症例・高度専門医療を要する症例とともに、練馬区を中心とする地域の基幹病院としてcommon diseaseに対する薬物治療も豊富にあり、幅広い臨床経験を積むことも可能です。

薬剤師レジデント制度の目標

当院のレジデントプログラムは、2年間の研修期間で病院薬剤師業務の基礎修得を目標とし、1年目前期は、調剤、化学療法・TPN調製、医薬品情報、医療安全などを修得、1年目後期からは、病棟活動を中心に臨床研究、学会発表、薬学部学生・大学院生の教育、東京都地域医療支援病院・東京都認定がん診療病院としての特徴を生かした研修を行います。2年間の研修終了後には、「臨床疑問(Clinical Question)に答えを見つける事が出来る薬剤師」の育成を目指します。

薬剤師レジデント制度のスケジュール


R1R1
その他
R2R2
その他
4月午前注射RM
感染
講義
(計10回)
消化器内科病棟チーム医療
a:感染
b:緩和
午後調剤
5月午前注射消化器外科病棟
午後調剤
6月午前ケモ調剤婦人科病棟
午後調剤+製剤
7月午前調剤循環器/呼吸器病棟チーム医療
a:NST
b:感染
午後調剤
8月午前ケモ調剤血液内科/腎/膠原病病棟
午後調剤+製剤
9月午前ケモ調剤小児病棟
午後調剤
10月午前注射鑑査DIチーム医療
a:緩和
b:NST
午後調剤DI+治験
11月午前注射鑑査調剤室ローテーション
午後調剤+製剤ICU
12月午前ケモ調剤化学療法室
午後DI調剤室ローテーション
1月午前ケモ調剤選択部署研究
午後調剤室ローテーション選択部署
2月午前調剤室ローテーション選択部署
午後調剤室ローテーション選択部署
3月午前調剤室ローテーション調剤室ローテーション
午後脳外科病棟まとめ
※スケジュールは変更になる可能性あり

研究・課題報告

臨床疑問(Clinical Question)に答えを見つける事が出来る薬剤師を目標に、各部署において研究・課題を考え、実施した業務とともに隔週に1回報告します。
週報の研究・課題報告の締切りは、原則毎週月曜日AM9:00としています。更に週報を取り纏め、月報を作成します。月報の締切りは、月の最終金曜日とし、翌月第1金曜日17:00から薬剤科内レジデント報告会で発表します。

【2020年度 指定研究課題】

テーマ提出日再提出日
4月第③週下剤の使い分け4月13日(月)4月17日(金)
5月第②週注射剤の配合変化の原因5月4日(月)5月8日(金)
5月第④週ビスホスホネート製剤の用法・注意点5月18日(月)5月22日(金)
6月第①週貼付剤の使用方法6月1日(月)6月5日(金)
6月第③週インスリン製剤の使用方法・保管6月15日(月)6月19日(金)
7月第①週低K血症とK注の投与法7月6日(月)7月10日(金)
7月第③週坐薬の使用方法(小児への指導)7月20日(火)7月24日(金)
7月第⑤週DOACの違い8月3日(月)8月7日(金)
8月第②週喘息吸入薬の使用方法8月17日(月)8月21日(金)
8月第④週シスプラチン、ドキソルビシンの作用機序、副作用8月31日(月)9月4日(金)
9月第②週抗がん剤の使用方法9月14日(月)9月18日(金)
9月第④週TS-1、ゼローダの適応がん種、休薬期間、用法用量9月28日(火)10月2日(金)
10月第②週睡眠導入剤の使い分け10月12日(火)10月16日(金)
10月第④週遺伝子多型(EMとPM)について10月26日(月)10月30日(金)
11月第①週点眼薬、眼軟膏の使用方法11月2日(月)11月6日(金)
11月第③週ポリファーマシー11月16日(月)11月20日(木)
12月第①週解熱鎮痛剤の違い11月30日(月)12月4日(金)
12月第③週インフルエンザ治療薬について12月14日(月)12月18日(金)
1月第①週ステロイド比較換算、副作用12月28日(月)1月1日(水)
1月第③週針刺し事故対応について1月11日(月)1月15日(金)

レジデント1年生から一言

レジデント1年 T.K

「なぜレジデント志望なのか」この一年で私が最も多く受けた借問です。「人生は一局の将棋なり、指し直す能わず」明治の文豪・菊池寛の金言をかり返答とします。医師は臨床研修期間を二年要するのに対し薬剤師は不要である点に疑念を抱いた私は、同様に初頭に基礎を磨き基盤を築く為レジデントの道を選びました。当院のレジデント制度は調剤業務、病棟業務、抗がん剤業務等の通常業務に加えて週報、月報、症例報告等の自己研鑽が課されるため、部署毎で偏らず礎を築くには十分な体制が整っています。特に、月に二度の月報報告会は口頭発表に準じた質疑応答の場も設けられ成長への大きな糧へとなります。薬剤師生活の最初の二年間を私達と共に練磨し、大きく成長した自分と出会ってみませんか?

レジデント1年 A.U

レジデントとして入職して1年が経ちました。1年目では主に中央業務をスケジュールに従い取り組ませていただきました。業務を行いながらレジデントでは週報や月報の提出があります。これらを通して薬剤師として身に付けるべき基礎知識や自分が興味を持ったことを学ぶことが出来ました。これらの課題報告をまとめるのは大変でしたが、自分が調べまとめたことを業務に活かせた時にはやりがいを感じました。2年目では主に病棟業務を行います。まだまだ知識不足を痛感しますが、1年目で学んだことを活かしつつさらに知識を身に付けて1年目よりさらに1人の薬剤師として成長できるように努力していきたいです。

レジデント2年 Y.K

レジデントプログラムにおいて、調剤業務、調製業務、医薬品情報業務、病棟業務、ICT、NST、緩和ケアチームなどのチーム医療への参加など多岐にわたり研修して参りました。2年目の病棟ローテーションでは、各病棟での病態把握など基礎的な知識の勉強に加えて、病棟業務で触れた臨床疑問の研究などに多くの時間を充てることが出来ました。今後も勉強・研究を継続し、更に薬物治療について学んでいきたいと思います。

レジデント2年 N.H

レジデント研修プログラムの2年間を無事終えることができました。2年目は病棟業務の研修をメインで行い、他、ICTやNST・緩和といったチーム医療にも研修として参加させていただきまた。病棟研修では、ほとんどの病棟を回ることができ、幅広く多くのことを学ぶことができました。また、チーム医療等を通して、他職種との関わりもとても多いと実感しました。今後、練馬病院に入職するにあたり、レジデントで経験したことを活かせるよう、より経験を積んで成長していきたいと思っております。

学会発表

日本薬学会第141回年会 

演題:「アトルバスタチンと酸化Mgの併用がLDL-C変化率に与える影響を検討した後方視的臨床研究」
○菅野 孝俊1、金城 直樹1、金 素安1、小山内 美樹1、三好 知子1、小島 悠平1、立沢 正臣1、住吉 正孝2
(1. 順天堂大練馬病院薬、2. 順天堂大練馬病院循)
薬剤科 学会発表 日本薬学会第141回年会

日本臨床腫瘍薬学会学術大会2021(第10回) 

演題:「肝細胞癌患者におけるレンバチニブによる副作用発現状況の評価と薬剤師の介入の必要性の検討」
○雅樂 晏里沙1、金 素安1、長谷川 奈央1、金城 直樹1、立沢 正臣1、住吉 正孝2
(1. 順天堂大練馬病院薬、2. 順天堂大練馬病院循)
薬剤科 学会発表 日本臨床腫瘍薬学学術大会2021(第10回)

修了式:2021年3月3日